韓国映画『国選弁護人 ユン・ジンウォン』を観てきたんだけど、色んな意味で韓国らしい作品でした。 [映画]
2016年10月7日 シネマート新宿
2016年に観た47本目の映画
こういう、地味なお話で、300万人も動員できるって、韓国の観客って精神年齢高いなぁと思う。
実話ベースだから、どうしたって劇的にはしにくい。
恐らくそれにあわせているのだと思うけど、出演者も地味だしね。
ただ、こういった、所謂公務員の腐敗については、たびたび映画化されている。
しかも、実話ベースの作品が、結構多いという印象。
前にも書いた気がするが、私が高校生の頃、まだ韓国は、軍事独裁政権下だったのだ。
それを思うと、まだ日本ほど、民主主義に必要な情報公開や、司法の制度、コンプライアンスに対する意識が根付いていないとしても、仕方が無い面があるな、と思う。
なので、この作品も、「また、いつものか」という気持ちがしなくもない。
ただ、どの作品も、やはり類似の作品とは違う色を出したいと、苦闘している。
この作品の場合は、その苦闘が親子の情を描く事に帰結している気がする。
警官を殺害した、とされている、自らも同じ現場で息子を亡くしている被告と、殺害された警官の父親、この2人の気持ちに感情移入してしまう。
刑罰とは別に、結局のところ、亡くなった2人の息子は戻ってこない、という、やりきれなさ。
日本でも、親子の情を描く作品は多いが、韓国映画のそれは、やはりひと味違う。
それはそうだ、違う文化の国なのだからら。
そこが、韓国映画を観る面白さなんだけどね。
なので、この作品も、私としては、面白かったです。
地味な佳作ですけど。
それにしても、これだけ政府や政治の腐敗が度々描かれるという事は、後年・・・10年後20年後、韓国の人たちは「ああ、そういえば、この映画を観た頃の韓国は腐敗が酷い時代だったな」と思い返すのかもね。
http://coco.to/movie/41290
http://www.kinenote.com/main/public/cinema/detail.aspx?cinema_id=86266
http://movie.daum.net/moviedb/main?movieId=75594
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